カフェインに覚醒作用があることは有名ですよね。
では、一体どのくらいのカフェインを摂ると睡眠に影響が出るのでしょうか。
夕方以降、コーヒーを飲みたい! そんな気持ちを我慢した経験はありませんか?
― この記事を読んでわかること ―
- 睡眠に対して なぜカフェインが影響を及ぼすのかわかる
- 寝る何時間前まで・どのくらいのコーヒーを飲んでいいのかがわかる
- 夜のデカフェコーヒーのメリットがわかる
コーヒーを飲んで、夜に眠れなくなった経験はありますか?
わたし自身、21:00以降にコーヒーを飲むとなかなか眠りにつけず、辛い思いをした経験がありました。
それでもコーヒーが飲みたい! これがわたしが「デカフェ」を飲み始めたきっかけです。
今回は、カフェインと睡眠の関係についてお話します。
カフェインによる睡眠への影響とは?
カフェインの作用のひとつに「覚醒作用」が有名です。
言い換えれば、質のいい睡眠にとって、カフェインは悪い影響がありそうですよね。
カフェインによる睡眠への影響はどんなものがある?
カフェインの影響として、具体的に報告されているものは以下の3つです。
- 眠りにつくまでの時間が遅くなる ( 入眠時間の延長 )
- 脳の休息となる「熟睡」する時間が短くなる ( 深睡眠の減少 )
- 睡眠時間の短縮
では、なぜ カフェインを摂ると眠気が覚めてしまうのでしょうか。
カフェインが「質のいい睡眠」にとって悪影響だと言われる理由はわかりますか?
睡眠前にカフェインを摂ると眠くならないのはなぜ?
ざっくり言うと「カフェインは人間が眠気を感じる回路を邪魔してしまうから」です。
そういわれても、いまひとつピンと来ませんよね。
ヒトが眠気を感じる仕組みと、カフェインとの関係についてお話します。
ヒトが眠気を感じる仕組みとカフェインとの関係
ヒトの身体は、活動して疲労を感じたときに「アデノシン」という物質をつくる。
このアデノシンとカフェインの化学構造がよく似ている!
アデノシンには「神経の興奮を抑える作用」がある。
作用するためには、アデノシンがアデノシン受容体という物質と結合し、眠気を感じる。
…はずが! ここでカフェインが邪魔をする!
アデノシンの代わりに、カフェインがアデノシン受容体に結合してしまう。
カフェインが邪魔をすることで「神経の興奮を抑える働き」をするアデノシンが働きません。
カフェインによる覚醒作用は、このように「人間が眠気を感じる回路をカフェインが邪魔をする」ことで起こります。

「睡眠への影響」という面では、カフェインに対する耐性ができるかどうかはっきりしていません。
つまり、カフェインの睡眠への影響は、日常的にコーヒーを飲む人も飲まない人も誰にでもありえます。
「自称・カフェインに強い人」を対象に、寝る直前にコーヒーを飲んでもらったところ、入眠までの時間が普段よりも1時間延長しました。しかも、睡眠時間の延長を自覚できた人は一人もいませんでした。つまり、「自称・カフェインに強い人」も実は睡眠障害を引き起こし、さらにその事実に気づいていないわけです。
「コーヒーを夜中にも飲む人」に襲いかかる超危険‐東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/428893?page=2
「自称・カフェインに強い人」も自分で気がついていないだけで、実は睡眠への影響は出ているのです。
では、実際に寝るまでの何時間前から、どのくらいのカフェインの量で睡眠に影響が出るのでしょうか。
実際に寝る何時間前までカフェインを摂ってもいい?
カフェインを摂取してから作用が最も出てくるまでの時間(最高血中濃度到達時間)は、0.5~2時間 程度です。
「昼寝の前にコーヒーを飲むと頭がスッキリする」と聞いたことがありますか?
15分程度の昼寝の前にコーヒーを飲むと、ちょうど目が覚めるときにカフェインの効果が表れるためです。

では、コーヒーは実際に寝る30分前までに飲めば問題ないのでしょうか?
答えは「NO」です。
海外の研究において、寝る直前にカフェインを摂取した場合でも睡眠障害がみられたと報告されています。
就寝する直前、3時間前、6時間前にカフェイン400mg (錠剤)を摂り、プラセボ(カフェイン無し)群と比較しました。カフェインを摂取した群はいずれも睡眠障害がみられたと報告されました。就寝する 6時間前でもカフェイン400mgを摂取した群は睡眠時間が1時間短縮しました。就寝時刻の最低 6 時間前に実質的なカフェインの使用を控えるという睡眠衛生の推奨事項を実証的に裏付けています。
J Clin Sleep Med. 2013 Nov 15; 9(11): 1195–1200. Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed
URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3805807/
上記の研究に使用されたカフェインは400mgと非常に高用量です。
カフェイン400mgとは、コーヒーでだいたい 4~5杯の量になります。
そこまで大量にコーヒーを飲めば、さすがに誰でも眠れない!と思いますよね。
実際には、どれくらいのカフェインの量で睡眠に影響が出てくるのでしょうか。
どの程度のカフェインを摂取すると睡眠に影響が出るの?
結論からお伝えすると、成人では 100mg以上のカフェインを摂取すると睡眠に影響が出ます。
では、100mgのカフェインとは、コーヒー何杯分になるのでしょうか。
睡眠に影響が出ると言われる「100mgのカフェイン」とはコーヒー何杯分?
ドリップ式のコーヒーをいつものコーヒーとします。
睡眠に影響が出るといわれるカフェイン100mg は、コーヒー1杯とちょっとの量 (※) です。
つまり、いつものコーヒーを1杯分飲むだけで睡眠の質へ影響が出ると言えます。
※コーヒー1杯 150mLとして計算
ここで注意したいのは、手軽に買える缶コーヒー。
仕事終わりに飲むこともあるのではないでしょうか。
実は、缶コーヒーに含まれるカフェイン量はとても多いと報告されているんです。
1本あたりレギュラーコーヒーを1~2杯、インスタントコーヒーを3~4杯を一気に飲むのと同じことになります。

夜のコーヒーにデカフェをおすすめする理由3つ
ここまで、カフェインが睡眠にとって「よくない理由」と「影響を及ぼす時間や量」についてお話してきました。
夜、寝る時間に関係なくコーヒーを楽しみたい、と思ったことはありませんか?
そんなあなたへ、夜のコーヒーをデカフェコーヒーへ置き換えるメリットをお伝えします。
① デカフェに置き換えることで 夜のコーヒー時間を気にしなくてよくなる
いつものコーヒーからデカフェに置き換えるだけで、睡眠時間から逆算したり、飲む量を気にしたりすることなく、夜のリラックスタイムにコーヒーを楽しめるようになります。
ここで一度、デカフェについて確認してみましょう。
- 「デカフェ」とは カフェインを90%以上除去したもの
- カフェインレスコーヒーとも呼ぶ
- コーヒー1杯 (150mL) あたりに含まれているカフェイン量は 9mg 程度 ※商品により異なる
「睡眠に影響が出るといわれるカフェイン100mg」とは、コーヒー1杯とちょっとの量 (※) です。
これをデカフェのコーヒーに置き換えると 11杯とちょっと、の量に相当します。
※コーヒー1杯 150mLとして計算
さすがにデカフェのコーヒーでも11杯以上飲めば睡眠に影響が出る可能性はあります。
でも、夜にそこまで大量のコーヒーを飲むことってありませんよね。
言い換えると、デカフェのコーヒーであれば、夜もコーヒーを我慢せずに安心して楽しめると思いませんか?

② コーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」は寝付きをよくする
コーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」は寝付きをよくする効果があります。
コーヒー1杯(150mL)あたりに含まれるポリフェノールは300mg です。
デカフェは「カフェインを除去している」ので 睡眠の邪魔はしませんが、ポリフェノールはそのまま残っています。
ただし、妊娠後期の場合のみ 胎児の成長にリスクを伴うため、ポリフェノールの大量摂取は控えましょう。

③ コーヒーの香りにはリラックス効果がある
コーヒーは飲むだけではなく、香りも楽しみたいですよね。
コーヒーの生豆に含まれる200種類もの香気成分が含まれています。
コーヒーらしい甘酸っぱい香りやロースト香は生豆が焙煎されることで出てきます。
そして、コーヒーの香りにはリラックス効果があるんです。
特に「グアテマラ」と「ブルーマウンテン」の香りを嗅ぐとリラックスしているときに出るα波が多く出現しました。
まとめ
夜コーヒーには「デカフェ」がおすすめです。
その理由として「カフェインは人間が眠気を感じる回路を邪魔してしまうから」です。
カフェインを100mg (コーヒー1杯) 程度飲むと睡眠に悪影響が出ると言われています。
カフェインを除いた「デカフェ」を選ぶことで、夜のコーヒーはデメリットばかりではなくメリットもあります。
夜のリラックスタイムにおすすめ。夜のデカフェコーヒーの飲み方
最後に、夜 寝る前のおすすめのコーヒーの飲み方をご紹介します。
- デカフェをえらぶ
- 寝る前はカフェインを90%以上除去したデカフェを選びましょう
- ホットで飲む
- アイスコーヒーは胃腸をはじめ、体を冷やすため、利尿や覚醒に繋がってしまいます
- ミルクを入れてカフェラテにする
- ブラックコーヒーは寝る前の胃には刺激が強すぎます
- 温めたミルクに含まれるトリプトファンが睡眠ホルモンを分泌する手助けをします
- 眠る30分前に「ゆっくりと」飲む
- 一気に飲むと胃に負担をかけます
- 香りを一緒に楽しむことでリラックス効果があります
あなたが夜コーヒーを安心して楽しめますように。

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